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国民年金手続きについて所感 ~付加年金は最強の金融商品?~

社会保険労務士としてはお恥ずかしいのですが、昨日やっと国民年金の切り替えの手続きに行ってきました。

12月までは企業勤めでしたので厚生年金が適用されましたが1月からは自営業になりますので国民年金が適用されます。

通常だと企業側が厚生年金の喪失手続きを行うと自動的に案内がきて国民年金保険料を納めてくださいとなるのですが、本来としては切り替えの手続きを自分でやる必要があるのです。そして、もう一つこの手続きでは目的がありました。それは国民年金の付加年金の手続きをしたかったらです。

この付加年金について恐らくあまり周知されておらずご存知の方は多くないと思いますので記載したいと思います。自営等で開業された方は必見です。

国民年金は20歳から60歳の40年毎月保険料を納付しますが、40年全て納めたとしても65歳からもらえる金額は780,100円にしかなりません。月額で言うと65,008円です。夫婦2人だとこの2倍になりますが、厚生年金の場合ですとこの金額に報酬比例分が上乗せされますので、一般的なモデルで22万程度になります。

このため自営業の方等の老後の上乗せとして考えられたのが付加年金です。金額としては大きくないのですが、毎月400円をプラスして納めると将来の年金額が200円づつ増えるという簡素なものです。

ここで疑問に思われた方はいらっしゃいませんでしょうか?400円納めて200円しか増えないとなると大損ではと?

ところが、試算をしてみるとこの制度、もの凄い効率の良い投資なのです。

仮に30歳で独立して30年間この付加保険料を納めたとします。

納める保険料は30年×12か月×400円で144,000円です。

増加する年金額は30年×12か月×200円で72,000円です。

増加する年金額は一生涯続きます。これが最大のポイントです。
そうすると、65歳から2年間で納めた保険料のもとがとれてしまいます。日本人の平均寿命は85歳程度ですので、20年この付加年金分を受給すると受取額総額が1,440,000円になります。投資額に対してリターンが1,000%になるのです!

注意点としては、この付加年金は定額のものですので、将来大きなインフレがあっても金額は変わりませんので物価の上昇が伴うとメリットが小さくなります。また国民年金基金との併用はできません。ちなみに確定拠出年金とは併用できます。

注意点はあるものの、これだけのリターンが期待できる金融商品は世界のどこを見渡しても存在しないと思います。そして、国はこの制度を積極的に周知しようとしていないように思います。これはみんな入ってしまうと大きな損失になるからなのではと推測します。

このように大きなメリットがある付加年金について、自営で開業された方、厚生年金に加入できない個人事業の社長様などは是非早めに手続きに行かれることをお勧めいたします。手続きはお住まいになられている地区の役所もしくは年金事務所でできます。

ちなみに、昨日行った区役所でも窓口の方は付加年金の手続きをしたいと言うと、「?」という反応でした。また遡っての加入ができないので、手続きした月からの加入になります。(自分も1月の加入ができず2月からになってしまいました・・)

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