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健康保険の標準報酬月額の上限改定及び累計標準賞与額の上限変更

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今年の4月より、健康保険料の算定基礎となる標準報酬月額・標準賞与額の上限が引き上げられます。

健康保険・船員保険の標準報酬月額の上限改定及び累計標準賞与額の上限変更

昨年の法改正で決まっていたこととはいえ、これは高所得者に対する大幅な負担増になります。

社会保険料の計算方法等は以前のブログよりご確認ください。

実務上も忘れがちですので、要注意です。

標準報酬月額に関しては、上限121万円が139万円まで引き上げられます。賞与は年間540万円が573万になります。

実際の金額で月額のほうの負担の影響を見ていきましょう。

月収が140万の方の場合、今までは上限が121万円でしたので、一般的な協会けんぽですと、本人会社負担ともに60,318円になります。

料額表からご確認できます)

これが139万円に引き上げられますので、本人会社負担ともに69,291円になります。何もしなくても月額の負担が8,973円年額107,676円の負担増になります。これは所得税増税に比べてもかなり大きいものです。

ここで料額表を見て気づかれた方も多いかと思いますが、ポイントは「健康保険」のみの上限が上がるということです。

厚生年金の上限は620万円でここ数年引き上げられていません。

何故かというと、厚生年金は報酬比例で将来の年金給付に影響があるので、引き上げると保険料は増えますが、将来の支給も増えます。年金資金の運用や少子高齢化が更に進む中、将来の負担を増やすということはできないのです。

一方、健康保険に関しては、みなさんが良く使われる病院での3割負担を考えると、月給10万円の方でも140万の方でも同じ治療であれば保険料の負担額は同じなので、保険料を多く取れたほうが国の財政は潤います。健康保険上の給付で報酬の額に応じたものは、出産された際の出産手当金や病気になられた際のに休職された場合の傷病手当金などですが、月収140万程度の方がこの手当金の対象になる率は低いと思われます。

こうして、高所得者の方の負担は益々大きいものになってきます。収入が高い方が多くを負担することは理にかなってはいるのですが、いろいろと制度の作りを見ていくとやるせないものもあります。

消費税増税も影響が大きいですが、このような法改正も実はしっかりと意識していくべきものと思われます。

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