1月の法改正で、所得税の給与所得1200万円以上に対する給与所得控除が245万円から230万円に減額されます。
また、2015年まではこの上限の対象が1500万円以上だったのが1200万円に引き下げられます。
国税庁のHPなどにはさらっと記載されていますが、実は大きな増税であります。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2015/pdf/70-74.pdf
↑1-3の改正内容になります
詳細を説明させていただく前に、給与所得控除と言われて理解されている方がどこまでいらっしゃいますか?
上記の法改正の文言だけ見ると15万円も増税になるの?と思われるかもしれませんが、実際は複雑な計算を行います。それがために、この法改正でどれだけ影響があるかというのは非常に分かりづらいのです。
ご自身の税金にどれだけ影響があるのかを下記解説いたします。
まず、給与所得に関する税金がどういった形で計算されているかというのを大まかな形で把握してください。
(給与支給総額-給与所得控除-所得控除(扶養控除・社会保険控除など))× 税率-控除額=所得税額
となります。この給与所得控除額が変更になります。文言だけ見ると難しいので、実際一番影響がある年収1500万円の人(扶養配偶者1名、年間社会保険料100万)で見ていきましょう。
2015年まで
(1500万-245万-(76万+100万))×33%-1,536,000円=2,024,700円
2016年より
(1500万-230万-(76万+100万))×33%-1,536,000円=2,074,200円
差額 49,500円
実際には生命保険料控除や住宅ローン控除などがありもっと複雑にはなりますが、簡単な例でいうと、収入額が変わらない中でも年間5万近くの増税になります。消費税が8%から10%になりますが、上記の増税額と同じ額の影響を受けるには年間2,475,000円の消費をした際と同じ額になるのです。
消費税は身近で分かりやすいものですが、給与から控除される所得税の制度をもっと理解していくことが重要と思います。
表参道HRオフィスではこういった給与計算に関わる法改正も丁寧にご説明のうえ対応いたします。
社会保険労務士 表参道HRオフィス 山本純次 HP